2019-09-27 不安症状は腸内細菌の調節で軽減できるとした研究結果 精神疾患(メンタルヘルス) 不安症状は、さまざまな精神疾患や身体障害に伴って現れ、特にストレスに関連する障害を持つ人に顕著です。3分の1もの人は、障害に何らかの不安症状の影響を受けるといわれています。 今回は、この不安症状が抗不安剤のみならず、腸内細菌の調節によって和らげることができるかもしれない、という研究結果を紹介します。 腸内細菌と脳神経系が深く関わるという「脳-腸相関」は、メンタルヘルスや脳科学の分野のホットトピックです。今回の研究はまさに、脳と腸の相関をまた一つ明らかにしたものといえます。 続きを読む
2019-09-26 双極性障害とADHDの似ているところ・違うところ 精神疾患(メンタルヘルス) 双極性障害とADHDは、「衝動的に動いてしまう」という非常によく似た症状があります。悩みを抱えた患者さん本人や、熟練した医師でさえも、この2つを見極めるのは難しいときがあります。 今回はメンタルヘルスの視点から、双極性障害とADHDのよく似た点、違う点を解説いたします。なお、病気の診断はメンタルヘルスの専門家と患者さん同士で、時間をかけて行うものです。本稿がその営みの助けになればと思います。 続きを読む
2019-09-25 Facebook、神経活動由来の信号でコンピュータ操作を行う「CTRL Labs」を買収 脳科学 AI・トランスヒューマン Facebookは9月23日、CTRL Labsを買収したと発表しました。 CTRL Labsは、神経活動に基づいてコンピュータ操作を行う技術を開発する、ニューヨークのベンチャー企業です。着想としては、Neuralink社の技術にも近いものが感じられますが、CTRL Labsの技術は電極を使わない、非侵襲とよばれるものです。 julife.hateblo.jp Facebookは2017年からブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)の開発を進めており、VR/AR技術に加え、BCI技術にも繋がるCTRL-Labsの技術を活用するものと思われます。 今回は、このCTRL-Labsの技術について紹介いたします。 続きを読む
2019-09-24 幸福感が強い人は、脳が揺らがない──主観的幸福と安静時脳活動の関係 脳科学 心理学 幸せとは何でしょう。人によってそれぞれ定義はあるでしょうが、世界中の大多数の人々は、「自分が幸福だと思えること」は人生の重要なトピックだとみなしているでしょう。これを脳科学では主観的幸福度と呼びます。 メンタルヘルスの文脈でも、例えばうつ病において下がってしまった幸福度が、どうしたら上がるだろうか? という観点は非常に重要なものです。 最近の研究で、特定の脳部位のゆらぎが小さいほど、その人は自分が幸福だと思っている……という関係が見いだされました。 続きを読む
2019-09-23 一般的な抗うつ剤は、うつではなく不安に効いている 精神疾患(メンタルヘルス) 脳科学 うつ病の薬は、実際には落ち込みを「治す」のではなく、安心感を与えて治りやすい状態にもっていってくれているのかもしれません。 うつ病の薬(抗うつ剤)は本来、うつ病の診断が下った上で、慎重に使う強い薬として考えられてきました。しかし最近の抗うつ剤は、実はもっと広く「不安」の状態にこそ効いているので、処方の仕方を変えても良いかもしれない……という、メンタルヘルスの現場に直接関わる研究結果が登場しました。 続きを読む
2019-09-22 大気汚染が双極性障害を引き起こすかもしれないという調査結果 脳科学 精神疾患(メンタルヘルス) 精神疾患は、個人のもつ要因と環境要因との両方が組み合わさって発症します。 julife.hateblo.jp しかし、環境要因とはなんでしょうか? ストレスや暮らし方、栄養などが議論の俎上に載せられることが多いですが、今回とりあげる大気汚染は、まさに環境の影響というにふさわしい要因でしょう。 大気汚染が双極性障害やうつ病を引き起こすかもしれない、という調査結果が登場し、議論の種となっています。 続きを読む
2019-09-21 エクササイズの継続には、特定の性格が関わっているという研究結果 心理学 脳科学 日々の健康を考えると、エクササイズは欠かせません。ですが正直、筆者はなかなかエクササイズが続かない方です(増量しているのに)。周囲で運動を続けている人を見ると、「どういう考え方をすると続くのか」と悩まされます。 julife.hateblo.jp さて、実は健康保険料などの兼ね合いから、日本よりもアメリカなどのほうがエクササイズへの意識は高くなっています。したがって、「どうすればエクササイズが続くか」という知識に対する需要も高いわけです。 今回は、「今必須じゃないが、今後のために必要な運動」を継続するのには、どんな心理学的機能(=性格特性)が必要かを明らかにした、オレゴン大学の研究を紹介します。 続きを読む