電脳の中の脳──脳科学・メンタルヘルスの最新研究やデバイス

脳科学やメンタルヘルスの最前線を、研究者・当事者目線からお伝え。生きづらさを解消するためのプロダクトの紹介も。

歩き方から認知症を見分けられるという世界初の研究

認知症にはアルツハイマー認知症レビー小体型認知症というように、原因によって複数の種類があります。この種類によって、症状や有効な治療法が異なります。

ニューカッスル大学の研究者らは世界で初めて、アルツハイマー型・レビー小体型の認知症を、歩行パターンから見分けられることを示しました。

 

f:id:julyfaraway:20190920185152j:plain


 

続きを読む

双極性障害患者の家族は脳が大きい?:脳容積と遺伝リスクの関係

精神疾患脳科学は密接な関係にあります。というのも精神疾患メンタルヘルス)が一定以上脳の疾患である以上、患者の病態と患者の脳とを比較する作業は、非常に重要だからです。

しかし今回は、患者本人の研究ではありません。双極性障害統合失調症の人の、家族の脳についての驚くべき調査を紹介します。

f:id:julyfaraway:20190919203233p:plain

続きを読む

社会的に孤立すると脳の成長が遅れる☆マウス実験☆

社会的に孤立していると、(仮に後から社会へ戻れたとしても)脳科学的にみて悪影響かもしれません。

今回はマウスを用いた最新研究を紹介しつつ、社会性や意思決定に、ひいてはメンタルヘルスに関する知見を紹介していきたいと思います。

f:id:julyfaraway:20190918193139p:plain

続きを読む

寝ている間に記憶が定着する仕組み:脳と海馬の間を情報が行き来する

寝ないとものが覚えられない、という仕組みは以前の記事で紹介しました。

しかし実際に寝ている間、脳は何をしているのか? 今回は、より具体的な脳科学の知見を紹介いたします。

f:id:julyfaraway:20190916183334p:plain

続きを読む

GeneLifeの肥満遺伝子検査を試してみた:投薬の体重増加と付き合う

神経疾患の薬は目覚ましい効き目がある一方、副作用があります。

その中でも顕著なのが、体重増加。まったく出ない人もいるようですが、筆者は投薬から半年で15kg増加し、これはなんとかせねばならないと決意しました。

とはいえ投薬をいきなりやめることはできないので、生活習慣を見直す……ために、まずは自分の身体的特性について向き合ってみよう、というのが今回の記事です。

特に遺伝的特性を知るために、民間企業の遺伝子検査を試してみました!

続きを読む

最新研究を一元化して集める

脳科学や心理学に関する最新情報は、実のところネット上で結構飛び交っています。が、正直なところピンキリが激しく、中には誤解を招く表現が多いのは、前回のプレスリリースの記事で紹介した通りです。

 

julife.hateblo.jp

 そこで今回は、筆者が愛用している情報源や、その集約の仕方について紹介しようと思います。

今回の記事は一般向けというよりは、学部生や院生、研究者の方(これはご自身の方法論があるかと思いますが)など、ある程度専門的に情報を収集したい方向けになるかもしれませんが、ご了承くださいませ。

ç¥è­, æ¬, ã©ã¤ãã©ãª, ã¡ã¬ã, æç§æ¸, æå ±, æè², æå­¦, ç ç©¶, 読ã¿åã, ãªã¼ãã³, 学校

続きを読む

「納豆はうつに効く」のか?:「プレスリリース」の功罪

筆者の所属している脳科学LINEグループで、メンタルヘルスに関わるこんな記事が話題にのぼりました。

www.jiji.com

神戸大学の研究者グループがこのような発見をしたそうです。

うつ抑制分子を特定=予防食品の開発に期待-神戸大など

納豆などの発酵食品に含まれる特定のペプチド(アミノ酸の集合体)が、うつ症状で見られる行動を改善することを神戸大とキリンホールディングスの研究グループがマウスを使った実験で突き止め、明らかにした。うつ病の予防法開発につながることが期待される。論文は9日付で国際学術雑誌の電子版に掲載された。 

ã©ã¤ã¹, ç´è±, é£å 

さて、この記事を読んでの感想は、研究者とそうでない人々とで大きく分かれます。

当ブログの読者の皆様はなんとなく想像がついてしまうかもしれませんが、一旦このプレスリリースを素直に受け止めてから、本記事の続きをお読みください。

続きを読む